Vol.194. 医療系翻訳タイムズ(連想式医薬英単語8)
- IBおよびCTDの内容検索方法は? -
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みなさん、こんにちは。
メディファーマランゲージ(株)の今栄子(こんえいこ)です。
受講生のかた達から、
医薬翻訳の中で、出現頻度の高い種類のドキュメントは
何か、という質問を、ときどき受けます。
その際に、私共事務局では、
「治験薬概要書」(Investigator's Brochure:IB)、
と答えることが多いです。
治験薬概要書は、当該治験薬に関する背景情報つまり
非臨床および臨床データを編集したもので、
包括的なドキュメントです。
品質(quality)を含む非臨床試験および臨床試験が網羅されており、
内容的にも量的にもずっしりとした存在感のある
重要ドキュメントと言えます。
治験薬概要書は、治験依頼者(製薬企業、etc.)が準備します。
そして、治験の実施に関与する臨床医や治験責任医師(investigaor)並びに
治験コーディネーターやスタディナースなどその他の医療従事者
に提供されます。
IBのラフな内容は以下の通りです。
1.治験薬の化学名と一般名、または識別番号。
2.非臨床試験:薬理試験、動物における薬物動態試験、
毒性試験。
3.ヒトにおける効果(臨床試験):第I相試験、第II相試験、第III相試験。
ところで、治験薬概要書の長所といいますか、翻訳者にとって
ありがたいのは、治験薬概要書の翻訳をしっかりと正確に
訳せるようになると、医薬翻訳における最重要/最高峰ドキュメントである
Common Technical Document(CTD)の翻訳につき、心理的ハードルが
ぐっと下がることです。
CTDは、IBの作成時点よりずっと後に、
すべての治験終了後に作成されるドキュメントですが、
しかし、非臨床から臨床までのすべての試験を網羅した概説という意味では、
IBとCTDは似通っているのです。
よって、治験薬概要書でマスターし、培ってきた専門用語や概念を踏まえて、
CTDを訳すことができるので、CTDというエベレストに登る前に、
富士山ともいうべきIBをまず、攻略してみてはいかがかしら、
と、私は考えているわけなのです。
もっとも、IBはCTDに比べると、各試験の方法やデータなどが
かなり割愛されてはいますけれども。
ただ、ここで留意するべきは、
治験薬概要書は、その構成についての情報はインターネットなどで
けっこう採れるものの、内容そのものについては、
なかなか見ることができない、という点です。
すでに上記に記載した通り、
治験薬概要書は治験の実施に関与する臨床医・治験責任医師、
その他の医療従事者などに供与されますが、
一般に公開されることはないからです。
しかし、かなり近いものを参照することはできます。
そこで、
来る12月4日(土)14時から16時の「右脳医薬英語トレーニング」で
「IBおよびCTDの構成ではない、実際の内容の検索方法について」というトピックを
新たに付け加えて、実践してみたいと考えております。
医薬翻訳に関心のあるかたがたにとって
非常に有用なトピックとなると思いますので、
みなさま、是非、
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